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第25回 「手づくり紙芝居コンクール優秀賞」<ジュニアの部 優秀賞>

たびするハリー  石いさくみ

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(1/10場面)

はりーはきらきらのハリをもったとくべつなハリネズミです。
 弟のさくハリも同じきらきらのハリをもっています。
 そんなハリーとさくハリの兄弟が大すきな事は・・・。
 たびをすることです。
「ねえねえさくハリ、今日はどこにいく?」
「そうだねハリー」
「そうだ!
 わ歌山県のはし本市ていうところにいってみない?つりざお作りの名人がいて、
ぼくたちのすきなつりもできるって友だちのくまたんからきいたんだ。」
「えー!それいいね!
つりもできるんだすごい!
じゃあ今日は、はし本にいこう!」

2人は、はし本にむかって歩きだしました。
てく てく てく てく
てく てく てく てく

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(2/10場面)


 2人は、はし本市にとうちゃくしました。
 そしてつりざお作りの名人の家をたずねる事にしました。

「ふむふむ・・・・
 この竹はいいつりざおになりそうだ・・・」

「あなたがつりざお作りの名人ですか?」
「ぼくたちはたびするハリーです。」
「名人はどんなつりざおを作っているのですか?」
「このうしろにならんでいるものは何ですか?」

2人は名人にあえてうれしくなって次々にしつ問しました。

「うしろにならんでいるのはつりざお作りに使う竹じゃよ。そしてわしは、
つりざお作りの名人じゃ。」
「どんなつりざおを作っているかというと・・・」

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(3/10場面)


「へらぶなという魚をつるためのつりざおを、天ねんの竹を使って一つ一つ
手さぎょうで作っているんじゃよ。そのさおの名前を・・・
『紀州へら竿』というんじゃよ」
「へー」
「紀州へら竿はな100年い上前から作られておってな、国のでんとうてき
工げい品にしていされているんじゃ。
 日本全国へら竿のほとんどがこのはし本で作られているからはし本は
 『へら竿の里』とよばれているんじゃよ。」
「すごーい」
「すごーい」
「ぼくたちも作ってみたいなー」
「きみたちも作ってみるかい?」
「うん作る!」
「うん作る!」

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(4/10場面)


♪ぶんぶんぶくぶくぶんぶんぶくぶく
 ぶんぶんぶくぶくぶん
♪ぷん
♪ぶんぶんぶくぶくぶんぶんぶくぶく
 ぶんぶんぶくぶくぶん
♪ぷん
ハリーとさくハリは歌いながら、名人に教えてもらったとおりに、
いっしょうけんめいへら竿を作りました。

 そして2日後・・・
 ついにハリーとさくハリのへら竿がかんせいしました!!
 2人は、さっそくこのへら竿を使ってへらぶなをつることにしました。

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(5/10場面)


 ここは、はし本市しみずのかくれ谷池。
 しけんけんきゅう池にもなっている、へらぶなづりでにんきな池です。
「つれるかな、どきどき・・・」
「つれるかな、わくわく・・・」

「このえさをハリにつけて・・・」
 ぼとんっ!!
「この池はへらぶながいっぱいいるしたぶんつれると思うな。」
「この竿はがんばって作ったからたぶんつれると思うな。」
3時間後・・・

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(6/10場面)


「えーん、何にもつれないよ。」
「えーん、がんばって作ったのに何にもつれないよ」
「えーんえーん」
「えーんえーん」
 ハリーとさくハリは、かなしくてえんえんとなき出しました。
 すると、そのなき声をきいて名人がハリーとさくハリの所へきてくれました。

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(7/10場面)


「なき声がきこえると思ったら、きみたちだったのかい。
 へら竿がかんせいしたんだね。でもその竿じゃなかなかつれないよ。
 わしたち名人が作るへら竿は半年い上かかって一本作るからね。」

「えー」
「半年もー!!
 ぼくたち2日で作ったんだ。」

「ははは
 じゃあがんばって作ったきみたちに、わしが作ったへら竿をプレゼントしよう。」
「わーい!うれしい!ありがとう名人。」
「そうださくハリ!いいこと考えた!
 ぼくたちのきらきらのハリをへんしんさせてへら竿のつりバリにしてみない?」
「それいいねそのハリだといっぱいつれそう。」
 2人はきらきらのハリを一つずつとってへら竿のつりバリにへんしんさせました。

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(8/10場面)


「名人にもらった竿はとってもかるいね。」
「色もちがうね。」
「お魚さんがつんつんしているのがわかりやすいね。」
「ぼくたちのきらきらのハリもうまくへんしんできたね」
「つれるかなどきどき。」
「つれるかなわくわく」

1時間後・・・

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(9/10場面)


「やったー!!1時間でこんなにつれた。」
「やったー!!名人の竿はやっぱりすごい。」
「ぼくたちのハリもすごい!」
「すごーい」
「うれしー」
「ありがとう名人!」
 2人はいっぱいつれて大よろこび。
 それから日がくれるまでつりつづけました。

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(10/10場面)


「楽しかったねさくハリ」
「楽しかったねハリー」
「はし本にきてよかったね」
「またはし本にきたいね」
 ハリーとさくハリは、名人にもらった竿を大じにせなかにかかえて家に
帰ることにしました。
「名人ばいばーい」
「お魚さんもばいばーい」

「次のたびはどこにいこうかさくハリ」
「そうだねハリー」
 2人のたびはつづきます。

          おしまい