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御坊村文書（和歌山県立文書館蔵）

解題

　嘉永５年（1852）～安政５年（1858）８月頃まで御坊村庄屋をつとめた小竹（しの）宇右衛門と、その前後に庄屋役であった小竹（しの）佐兵衛が書き留めた「御用留」と「御用留抜写」を中心とする文書群である。平成５年、和歌山県立文書館開館時に和歌山県立図書館から移管されたが、図書館で所蔵されるに至った経緯は不明である。
　「御用留」と「御用留抜写」は、紀州藩から届いた書状を書き写して冊子にまとめたもので、その内容は、薗浦八幡宮（現在の小竹八幡神社）祭礼に関することをはじめ、年貢関係、質素倹約の励行、犯罪人の手配書といった通達文が中心である。また、幕末の世相を反映して異国船来航とその場合の対応を指示するものや、嘉永７年11月５日に発生した安政南海地震の状況についても記されている。
　「御用留」は、『御坊市史』に翻刻（くずし字を活字になおしたもの）が一部収録されているほか、安政南海地震に関する記述は、東京大学地震研究所で発行する『新収日本地震史料補遺別巻』及び『新収日本地震史料続補遺別巻』において部分的に翻刻されており、東京大学地震火山史料連携研究機構が提供する「地震史料集テキストデータベース」で検索・閲覧することが可能となっている（下記リンク参照）。

〈外部リンク〉東京大学地震火山史料連携研究機構　地震史料集テキストデータベース

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