和歌山県立図書館から移管されてきた文書群のうち、紀州藩付家老田辺安藤家の家臣団の姓名や役職が記された文書である。付家老安藤家は、紀州藩55万5千石のうち3万8千石を領し、田辺のほか、城下町和歌山や江戸に家臣がいた。
これらの名簿は、慶応4年(1868)に紀州藩から独立した田辺藩、明治4年(1871)7月14日の廃藩置県に伴う田辺県の成立、同年11月22日和歌山県への統合といった期間を通じて作成されたものと考えられる。和歌山県への統合後も、元田辺県として事務を継続していたが、明治5年(1872)3月7日、田辺城や文書類などが和歌山県へ引き継がれた。
当館発行の収蔵史料目録4『移管資料目録』では、「御管内綏民局(すいみんきょく)等級人員」1点を田辺藩に分類し公開していたが、近年の調査により、紀州藩・和歌山藩庁に分類していた「若山江戸御附職分録」、「無官氏族卒名前」、「独礼順書」、「卒族順書」の4点も田辺安藤家の家臣団名簿であることが判明した。
これらの調査結果は、「和歌山県立文書館だより」第54号及び『和歌山県立文書館紀要』第21号「史料翻刻 田辺藩庁文書『無官士族卒名前』」で公開している(下記リンク参照)。
整理番号 | 標題 | 年代 | 作成者 | 宛名 | 形態 | 資料 |
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8986 | 若山江戸御附職分録 | (近世) | 御目付方 | 竪帳 | ||
9006 | 無官士族卒名前 | 明治4年3月 | 綏民局什伍懸り | 横帳 | ||
9007 | 独礼順書 | (明治初期) | 横帳 | |||
9008 | 卒族順書 | 明治3年2月改 | 政事庁 | 横帳 | ||
9024 | 御管内綏民局等級人員 | 庚午(明治3年)閏10月 | 田辺藩綏民本局 | 横帳 |