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現在のケース展示

紀州和歌山の本屋さん! 坂本屋喜一郎家文書

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資料②(PDFファイル)


 時は幕末。城下町和歌山で、坂本屋喜一郎という者が書物屋(書店)を営んでいました。 江戸時代の書店は今とは違い、幕府や藩の権威を高めるため、書籍の自由な出版が禁じられていました。 また、当時の書店は出版・卸売に重点を置き、貸本業も兼ねていました。 喜一郎は、大阪で出版されていた江戸の買い物ガイドが好評だったので、それを和歌山で実現しようとしました。 今回はその経緯を「坂本屋喜一郎家文書」からみていきます。

 ①は、天保15年(1844)に喜一郎が、町奉行所に向けた『御国御城下諸商売買物独案内』 (以下、『買物独案内』という。)の3度目の出版願です。 それまでに2度、出版願を提出していますが、いずれも許可されませんでした。 この出版願は、喜一郎が買い物ガイドを和歌山でも実現しようとし、 和歌山に詳しくない遠方の人々にとって便利になると思い、出版を願い出ました。 このとき、書籍の見本もともに提出されました。

 ②は『買物独案内』の書籍の見本で、「序」では、 城下町をよく知らない人々でも良心的な商品を選ぶことが出来ることをアピールしています。 この資料の(と)のページでは、時計を注文に応じて作り、修繕していた時計師についてや、 (か)ページでは、紀州特産の木綿糸や鏡を売り、傘を貸したりしている商店について書かれています。 ただ、3度目の出版願を提出した後、実際に出版された形跡が見られないことから、出版許可はだされないまま、 企画は立ち消えになったと考えられます。

 この展示は、紀伊中学校の職場体験学習に参加した3名の生徒が作成したものです。
 パネル展示「紀州和歌山の本屋さん!坂本屋喜一郎家文書」には、 職場体験学習の様子や生徒の感想を掲載しています。


文責:寺前 駿、令和7年度紀伊中学校職場体験学習生


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